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【地理学専攻の読書記録】地図帳の深読み 100年の変遷

『地図帳の深読み 100年の変遷』の概要

『地図帳の深読み 100年の変遷』は2019年に帝国書院から出版された『地図帳の深読み』の第2弾として2021年に出版された、地図帳を楽しむための本です。
『地図帳の深読み』シリーズは、教科書・教材としての地図帳で有名な帝国書院の出版ですが、こちらは大学生~大人向け、もしくは地理や地図が好きな学生向けでしょう。
この『地図帳の深読み 100年の変遷』は、近代以降およそ100年の地図の比較がテーマとなっています。

『地図帳の深読み』シリーズの著者 今尾恵介さん

地図研究家。非常に多くの地図や地名に関する著書があり、地図の面白さを伝えて来られた方です。地図に関する書籍を何か読もうと思ったら、今尾先生の本なら間違いない、そう思える方です。また、鉄道に関しても多くの著作があります。

『地図帳の深読み 100年の変遷』のおすすめポイント

基本的には第1弾と同じ楽しみ方になりますが、どちらから読んでも問題ないです。
歴史(近代史)の色が出ているのが第2弾の『地図帳の深読み 100年の変遷』です。

第1弾との違いは、地図の歴史的な変化・変遷に注目を当てている事

同じ場所の地図を、時代を変えて比較してみると、「産業」の変化、「地名」の変化、「地形」の変化などが起こっています。特に、日本周辺の台湾、朝鮮、満州を取り扱っている記述が多めとなっています。

地理や地図が好きで、さらに歴史・近代史にも興味があるという方にお勧めです。

また、地理が好きという人にたまにいらっしゃいますが、地理は好きだけど歴史は苦手、という方にもお勧めしたいです。歴史と地理は密接に関連していますし、解説が丁寧ですので地図を使って歴史を学ぶと一層理解が深まる事が分るでしょう。

単純に地図を比較するばかりではなく、地図帳に付いている各種資料にもスポットが当てられています。
例えば、昭和25年『中学校社会科地図帳』掲載の「日本の結核死亡率」(都道府県別・人口10万人に対する志望者数)や、昭和48年『中学校社会科地図』掲載の「県外への出かせぎ」という主題図が紹介されています。歴史とともに社会問題も変遷して、取り扱っている主題図も変化しています。