空想高校野球

空想高校野球#14 選考会議の振り返り

この記事はフィクションです。※登場する団体、人物、名称などは架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

選考会議の振り返り

選抜出場校32校が決定し、出場校は大会に向けて準備を進める。
練習試合解禁は3月。高校野球ファンとしても迫る球春に向けて気分は高揚してくる。

関東・東京(関東4校+1校、東京1校、両地区比較で+1校)

関東は4校目までは4強が順当に選ばれた。準々決勝で敗退した4校のうち、特別選抜枠の行方北(茨城)を除いた、東毛つつじが丘(群馬)、甲星学園(山梨)、前橋清楓(群馬)の3校が比較対象とされた。

その中で、東毛つつじが丘が群馬大会優勝かつ敗退した試合でも終盤までリードしていたとして、5校目に選ばれた。6校目を前橋清楓とした場合は群馬から2校となるため、地域性で甲星学園を推す声もあったが、1点差で惜敗した試合内容を評価して6校目は前橋清楓となり、東京2校目の飛鳥大吉祥寺との比較に回った。
今大会は、特別選抜枠でも関東地区から行方北が選ばれており、関東地区に選出が偏りすぎているという意見が出て議論は長引いたが、最終的には明治神宮大会優勝の恩恵を関東地区に与えたいことと、惜敗した試合内容を評価して、関東・東京の比較1枠に前橋清楓を選出した。

近畿(6校)

近畿も4校目までは4強が順当に選ばれた。
準々決勝で敗退した4校が比較対象とされ、1年生だけのチームで2点差負けの京都総合文化学院(京都)が京都大会優勝の実績も併せて評価されて5校目に選出。地域性を考慮して、洛志学舎西院(京都)はここで対象外となった。神戸清陵(兵庫)と龍応山(滋賀)の比較となり、点差は同じ2点差だったものの龍応山は完封負け、神戸清陵は優勝した森ノ宮学園(大阪)に敗れた事を比較して、神戸清陵を6校目に選出した。

中国・四国(中国2校、四国2校、両地区比較で+1校)

両地区とも決勝進出の2校がまず選出された。
中国地区は準決勝敗退の2校のうち、福山城北(広島)が7-8の惜敗と広島大会優勝の実績を評価されて中国3校目となった。氷ノ山(鳥取)を総合力と地域性から推す声もあったが、準決勝での完封負けが響いた。
四国地区は準決勝敗退の2校に加えて、2回戦で優勝校・松山大手(愛媛)に敗れた香西(香川)も好投手がいるとして比較対象に上がった。準決勝で6-7の惜敗の黒潮学院(高知)、1回戦からの登場で2勝した桃陵(香川)の3校で比較検討され、最終的に高知大会優勝も評価された黒潮学院が四国3校目となった。

福山城北と、黒潮学院が比較され、両校の実力・実績ともに互角と見て、地域性を考慮し、同一県からの重複選出を避けて黒潮学院が最後に選出された。

特別選抜枠への批判

かねてから賛否両論あった特別選抜枠に関する批判が今年も起こった。
行方北を特別選抜枠で選出した事についての批判である。

この特別選抜枠は、文化としての野球の普及や発展、競技人口の維持・増加などを目的として、秋季大会の実績が一般枠の基準に届かなくても、困難な練習環境のもと工夫したり、文武両道や地域貢献活動などで模範となりながら惜しくも甲子園には届かない学校を救済出場させている。

今回行方北が選出された行方市からは過去に甲子園出場経験がなく、身近な地域の学校からでも甲子園に出場できるという希望を与えていると言えるが、茨城大会優勝は夏の選手権予選に当てはめると自力で甲子園を掴む実績である。特別選抜枠に相応しいかどうかは今後も議論が重ねられそうだ。

一方で今回、関東地区は明治神宮大会優勝で1枠増、東京との比較でも枠を勝ち取っており、最低確保される枠より3校も多く出場した。そうであれば、今回は甲子園出場のない北海道士幌町の士幌農や和歌山県すさみ町の西牟婁見老津でも良かったのではとの反論がある。
主催者においては、一般枠を相手にして十分見せ場を作る事ができる程度の実力は求めているようで、今回落選した候補では実力不十分であると判断されたと言える。

今大会の注目校

湘南プレアデス(神奈川)

神奈川県平塚市の私立校。練習環境の良さから関東一円より有力選手が集まる。昨秋の神宮大会で初優勝。激戦区神奈川で着実に力をつけてきた。投打に高いレベルで、過去最高成績の4強を越えたい。

森ノ宮学園(大阪)

大阪府大阪市の私立校。昨夏の選手権と神宮大会の準優勝校。選抜も前回出場の3年前を含め3度の決勝進出、2度の優勝を誇る西の横綱。エース辻野ほか昨夏のベンチ入りメンバーは3人。

最上学園(山形)

山形県天童市の私立校。室内練習場と選手寮を整備して力をつけてきた。県外からも受け入れるが、半数以上は地元山形の出身。峯田、漆山ら大砲揃いの強力打線。公式戦9試合で計10本塁打。

京都総合文化学院(京都)

京都府京都市の私立校。学校創設は古いが野球部は昨年4月に創部したばかり。練習環境を整備し、満を持して監督を招聘し選手を集めた。1年生だけのチームで秋の京都大会を制し、近畿大会でも1勝した。

大河原(宮城)

宮城県南部、大河原町の公立校。宮城大会では強豪五城楼を降すなど準優勝。東北大会でも1勝し創部90年目で悲願の選抜初出場。

行方なめがた北(茨城)

茨城県南西部、行方市の公立校。木名瀬-永作のバッテリーを中心とした堅守と機動力で茨城大会初優勝、関東大会でも1勝した。

上枝ほずえ(岐阜)

岐阜県北部、高山市の公立校。食品流通、園芸工学、環境緑地、動物科学など農業系学科を設置。中学軟式で全国制覇したメンバー6人が中心。岐阜大会準優勝で東海大会に出場した。