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【地理学専攻の読書記録】47都道府県女ひとりで行ってみよう

『47都道府県女ひとりで行ってみよう』の概要

エッセイストの益田ミリさんが、約4年をかけて47都道府県すべてを旅行した記録、旅行エッセイです。

本書は2008年刊行(文庫化は2011年)ですので、旅行は2002年12月から2006年10月にかけてとなっています。ですので、少し前の時代の旅行記であり、まだ外国人観光客も多くない頃の旅行です。場所によっては今は印象が変わっているところもあるかもしれませんし、なくなった施設などもあるかもしれません。

旅行はひと月に1県という形で進められていて、例えば四国4県を一度に、という形ではなく東京から出かけていくというスタイルになっています。1つの旅行を6ページほどでまとめてあります。

『47都道府県女ひとりで行ってみよう』の著者 益田ミリさん

大阪府出身のイラストレーター、エッセイストです。京都芸術短期大学の卒業で、2001年に漫画家デビュー。2011年には『はやくはやくっていわないで』で産経児童出版文化賞・産経新聞社賞を受賞されています。

『美しいものを見に行くツアーひとり参加』(幻冬舎・2017年)、『かわいい見聞録』(集英社・2019年)、『考えごとしたい旅 フィンランドとシナモンロール』(幻冬舎・2020年)など、近年は旅行エッセイを多く出版されています。

『47都道府県女ひとりで行ってみよう』のおすすめポイント

47都道府県を地域にまとめることなくそれぞれ47の独立した旅行記として記録されているところが大きな特徴です。各都道府県は6ページ~7ページほどにまとめてあり、質・量とも平等な47都道府県への旅行記というのは珍しいのではないかと感じます。

30代女性の著者の一人旅ですが、旅行はお好きなのでしょうけど特別に地理に強いという感じは受けず、広く読者が共感できる感覚で書かれています。