2024年の第96回選抜高校野球について、出場校数と各地区の出場枠が決定しました。
今回は、大きな変化とも言える変更が行われています。
21世紀枠が3枠→2枠に
毎年3校選出されていた21世紀枠が、2校に減ります。
21世紀枠は不要という声も多いかと思いますが、個人的には選抜大会の特色という意味でも21世紀枠には賛成の立場です。2枠に減らすという事も賛成です。どちらかと言えば優勝した自校にはメリットがない神宮大会枠の方が不要だと思っています。
少子化の影響で、部員数や参加校数が減少する中、21世紀枠の条件に見合う学校も減っていくのは当然の流れです。無理に全国大会に相応しくない実力の学校を選出させるのは反対ですし、毎年3校を選ぶのは苦しくなってきていると思われます。
また、今年までは東日本から1校、西日本から1校、地域を問わずにもう1校という選出でしたが、96回は東西の区分けも廃止して全国から2校を選ぶようです。東日本から2校という事もあるかもしれません。
東北地区、東海地区がそれぞれ2枠→3枠に
今年まで2枠だった東北と東海がそれぞれ1枠増の3校なります。参加校数や部員数という観点で行くと、東海の2枠はやはり少なかったと言えるでしょう。また東北の近年の実績を考慮するとこちらも6県から2校はやはり少なかったと感じられます。
中国地区・四国地区の比較枠が1枠→0に
東海の増枠に対して、減枠となるのが中国・四国。今年まではそれぞれ2校と、両地区の比較でもう1校が選出されていましたが、それが減って中国地区も四国地区も2枠ずつとなりました。実質、両地区が0.5枠減という事になります。四国に関しては4校出場していた時代もあったように、高校野球草創期から野球が盛んだった歴史もありますが、2000年以降は人口減少に伴って、部員数、参加校数の減少が進んでいる現状を考慮すると仕方ないと思われます。
加盟校数で割ると・・・
ちょうど7月4日に、高野連の公式サイトに、都道府県別の加盟校数や部員数の調査結果が掲載されていますので、加盟校数で割ってみます。
※関東・東京は比較枠が1枠残っていますので合わせて計算します。
選抜1枠当たりの加盟校数
北海道・・・203校
東北・・・117校
関東・東京・・・176.2校
北信越・・・145校
東海・・・141.7校
近畿・・・91.3校
中国・・・134校
四国・・・77校
九州・・・130.5校
北海道は203校から1枠だけなので、不利なように見えますが、上の数字は加盟校数であって、参加チーム数とは異なります。つまり、連合チームで出場するような小規模な加盟校が多くあるという事です。そこで、チーム数を基準にすると、以下のようになります。
選抜1枠当たりの参加チーム数(第105回選手権参加チーム数を参照)
北海道・・・173チーム
東北・・・103.3チーム
関東・東京・・・158.8チーム
北信越・・・125.5チーム
東海・・・135.7チーム
近畿・・・84.8チーム
中国・・・127.5チーム
四国・・・70チーム
九州・・・122チーム
実質0.5枠減の中国は平均的なところに落ち着きましたが、四国はまだ参加チーム数に対して枠は多め、関東・東京は参加チームに対して枠がかなり少なめと言えます。
また、選手数で割ってみると以下の通りになります。
選抜1枠当たりの野球部員数
北海道・・・5328人
東北・・・3557.7人
関東・東京・・・5878人
北信越・・・4490人
東海・・・5225.7人
近畿・・・3180.3人
中国・・・4849人
四国・・・2373人
九州・・・4726.3人
北海道は1加盟校当たりの部員数が最も少なくて26.2人。小規模校が多いと言う事がここからもわかります。ちなみに平均部員数が最も多いのは福岡の42.0人です。
選抜高校野球の第1回(選抜中等学校野球大会)は、大阪毎日新聞社の主催で始まった歴史もあり、高校野球草創期に盛んだった近畿の出場枠が歴史的に多かったですが、現在では相対的に見て、関東・東京の学校はまだ競争率が高い状況にあると言えそうです。